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未踏ジュニア提案書に書いたこと+二次選考でしたこと

2022年10月21日に18歳になるわたすけです。これは突拍子のない自分語りではなく、「未踏ジュニアに採択された」と主張できる可能性が完全になくなった、ということです。

今年、2022年度の未踏ジュニアに向けて提案書を書き、一次選考を通過しました。二次選考には落選したものの、去年(2021年)応募したものは一次選考で落選したことを考えると、かなり成長(?)したなあと思います。

去年提出したものと比べて、今年は非常に多くのことに気をつけて提案書を書きました。今回はそのことについて書こうと思います。

なお、落選した身分でこれを書いているので一応予防線を張っておくと、この記事を通して、未踏ジュニア関係者・メンターの皆様やその他任意の人類に対する恨み妬み不満などの主張を含めるつもりは全くありません。個人攻撃もするつもりは一切ないです。できるだけ自分の体験を書くことで参考にしやすいかと思っての記述ですが、もし気分を害されたようでしたら本当に申し訳ありません。

どういうプロジェクト?

「キーボードから手を離さずにすべての操作を完結することが出来る」というコンセプトで、自作OS自作の開発を提案しました。

提案書を貼っておきます。公開にあたって一部変更しましたが、本質的な部分は全く変わってないです(誤字もそのままです)。参考利用の範囲であれば、好きに利用してください。

【公開用】未踏ジュニア2022 - Google ドキュメント

提案書

提案書はGoogleドキュメントでテンプレートが公開されています。他の人の提案書を見る限り、要素が揃っていればこれに100%従う必要はないと思いますが、自分は怖かったのでそのままにしました。

大きな見出しをつけるほどでもない気をつけポイントは以下のとおりです:

  • 見出しにちゃんと見出し要素を付ける
  • 表記ゆれしないように気をつける
  • 文字色を0x000000ではなく、0x1f1f1fにする

「見出しに見出し要素を付ける」というのは、Googleドキュメントの機能で「見出し[1-6]」のようなスタイルを付与した方がいい、ということです。左にアウトラインが表示されてめちゃくちゃ編集しやすくなります。テンプレートもこうなってほしい。

表記ゆれは、特に固有名詞・外来語に気をつけました。自分の例でいうと、「ショートカット」と「ショートカットキー」、「マウスカーソル」と「マウスポインター」などです。また、自分の場合はショートカットを表現する事もあったため、その部分も気をつけました。

文字色は完全に黒だと個人的に見づらいと思っただけで、必ずしも気をつける必要はないと思います。フォントも変えたかったのですが、日和ってやめました。

他の人の例を見る

未踏ジュニアの公式サイトには、応募者向けの動画・記事がまとめられています。自分は基本的に記事の方を読みました。

未踏ジュニア - 小中高生クリエータ支援プログラム

それから、このリンクに飛んでちょっと上にスクロールすると、過去の提案書を閲覧できます。すごいですね。絶対見たほうが良いです。

他人がどこに力を入れたのか、何を主張するべきなのかが分かってとても良いと思います。

強調要素を意識して付与する

これは「全くない提案書を書かない方が良い」という主張も含まれているし、「強調表現を区別したほうが良い」という主張も含まれています。

強調表現は文書にメリハリを付与します。これがないと、自分で書いてて読みづらいなあと思うんじゃないかなあと思います。書いてる本人にとっても読みづらいのに、他人にとって読みやすいわけがないです。

それから、ただ闇雲に使わず、考えて使ったほうが良いと思います。自分の場合、「下線は続く文章のためにみてほしい箇所」、「太字はシンプルに重要なところ」、「コンセプトに直結する場合は太字と下線」としました。

これは主に自分のためになると思います。「一つ前でここが下線になってるけど、この後の説明が不十分だな」みたいな感じになります。

まあ自分自身ここまで考えて強調表示を使い分けましたが、読み手に伝わるかどうかはわからないと思います。というか、そのままの形で伝わることはないと思います。偏見ですが。

自分語りをたくさんする

フィードバックによると、去年の提案書は「実現可能性が見えない」という点が要因の一つとなって落選したらしいです。自分のスキルを主張しきれていなかったからだと思います(去年のプロジェクトは自分のスキルを正しく伝えられてたところで実現可能性があるかどうかは不透明だったけど)。

また、提案書にも、「あなたが、他の誰かと比べて、このプロジェクトを進めるのに適していると思う理由を教えてください」というのを聞かれる箇所があります。

今回のプロジェクトは自分の経験とかなりしっかり結びついていることもあり、自分が使ってきたソフトや、そのソフトに惹かれる所などはもちろん、自分の人生観から今まで作ってきたものまで全部紹介しました。

とりあえず書いておいて損はないんじゃないかなと思います。ワンチャン面談のときのネタになります(まあ自分の場合は聞かれなかったけど)。

二次選考

二次選考はいわゆる面接みたいなものです。指定された時間にzoomに入室し、だいたい30分程度で面談を行います。自分の場合ちょっと早く入りすぎて前の人がまだ面談中でした(ごめんなさい)。

面談相手は1人とは限らず、複数人であることがあります。自分の場合は二人でした。

流れとしては、5分程度でプレゼンした後、質問が始まると言った具合です。自分は大体4分50秒くらいでプレゼンをしました。質問は色々なところから来ますが、主に提案書からやってきます。

このような感じのスライドを作りました。これも参考範囲に留めていい感じに利用してください。

2022_未踏ジュニア2次(自作OS) - Google スライド

このスライド、事前に練習しておいたのですが、結局本番でスライド切り替えをミスしてしまいました。スライドはシンプルな方が良いかもしれないです。

あと、面談全体を通して、結構沈黙が多かったという印象を受けました。もうちょっと声に抑揚とか付けて、強調するべきところを強調していれば相手に興味を持ってもらえたのかなあと思ってます。これは流石に邪推ですが・・・

スライドでコンセプトを全部伝えるのは無理

無理です。自分は大きく分けて3つコンセプトがありましたが、伝えられたのはそのうちひとつだけです。

自分で言うのも変かもしれませんが、自分としては主張すべき全てを提案書で書いたのではと思っていました。だから、プレゼンでは「もうちょっと強調したいな」と思ったコンセプトについて深掘りするだけに留めました。

プロトタイプを動かす準備はしておいたほうが良い

実際にプロトタイプを動かしているところを見せてほしい、と言われる可能性があります(言われました)。どうあれ準備はしておいたほうが良いと思います。

このプロトタイプから派生して、自分はプロトタイプのソースコードにおける見どころ(自分で気に入っている実装など)を尋ねられました。このあたりは、一次選考を通るほど自分が情熱を持っていて、さらにプロトタイプまで作っている人であれば、即興で答えられると思います。まあこんなこと書いてる自分はすぐに出てこなかったんですけどね(プロトタイプはだいぶ前に作ったものだったので・・・)。

聞かれそうなことは聞かれると思ったほうが良い

想定していた質問のうち半分くらい聞かれました。回答まで考えておいて損はないかと思います。

自分の場合、「それOSである必要ある?」と聞かれました。Linux上で動作するウィンドウマネージャ等で十分では?という主張です。正直、 全く同じことを考えていました。 更に言うなら反論すら思い浮かばなかったです。提案書の段階からこの懸念点はあって、一応提案書にも書いたり、それとほぼ同じことを二次選考でも回答したりはしましたが、あまり納得してもらえなかったかなという印象です。

2022/07/02追記:フィードバックを頂きました。自分は前述した懸念点に関して「OSである必要がないのは事実だが、他にもOSとして実装したいことはあるので、個人的には自作OSとして進めていきたい」という回答をしていたんですが、フィードバックによると「OSの実装は手段であって目的にはならないと思っており、プロジェクトとして採択するには不適切」とのことです。そりゃそうですよね・・・

まあこれはプロジェクトの本質的な部分での落ち度で、選考には特に関係ないです。

おわりに

最初にも書きましたが、去年と比べてかなり力を入れて提案書を書いたので、一次選考を通過出来て本当に良かったです。去年の自分を超えた気がして嬉しくなりました。

また、二次選考も非常に参考になる話や質問を受けることが出来ました。このような機会はめったになかったので、非常に貴重な経験になったなあと思います。

最終的には自分のプロジェクトが持つ問題点が浮き彫りになってしまったという感じで、その面では少し悔しいです。まあこの点では自分のプロジェクトについてまた考え直すいい機会になったんじゃないかなと思っています。猶予期間だと思って、自分のやりたいことをちゃんと見つめ直したいです。

未踏ジュニア向きでなくても、このプロジェクトを進めるのは楽しそうだと思っているので、今後も個人的に進めていこうと思っています(採択されたときと比べたらどうしても優先度は下がりますが)。

この記事が役に立てば幸いです。提案書、頑張ってください。

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わたすけ

高専生 プログラミングでツールを作ったりLinux触ったりゲームしたりしてる
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